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復縁の練習問題vol.1【解答編】 別れを告げられた『完璧に頑張った女』

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前回:復縁の練習問題vol.1 【問題編】別れを告げられた『完璧な女』


これの【解答編】です


亮廣の為に尽くしてきた恵里菜はなぜ急にフラれてしまったのか?
その真相に迫ります




恵里菜と知り合ったのは1年前だった


エリアの合同達成会

エリアとは各部署の集合の事だ
自分はそのエリアの中の1部署の主任をしていた


エリアも広いので恵里菜の事は合同達成会まで知らなかったが、出会った瞬間に運命を感じた


恵里菜の見た目はもちろんの事、声やしぐさも自分のどストライクだったし、少し勝気だが、周りを元気づける事の出来る性格と雰囲気に惚れたのだ


なので、交際を申し込んだのは自分からだった


同じ社内なのでバレたら気まずいという想いもあったが、勇気を出して告白すると、恵里菜も自分のその想いを受け止めてくれた


当時自分は28歳で恵里菜は26歳


結婚願望が強い訳ではなかったが、恵里菜とならしてもいいと思い、新しいマンションを借り、同棲を始めた


自分は主任という立場上、恵里菜よりも多忙な位置にいたが、だからといって家の事を全て恵里菜に任せっぱなしにするつもりはなかった
なので恵里菜に


『自分も料理や家事も頑張るから』と、伝えた


ただそれに対し恵里菜は
『いいの。こういうのは私がやるから、亮廣は無理しないで』
と、亮廣に答え、実際に恵里菜はその言葉通り、一生懸命家の事もしてくれた


恵里菜も忙しい中、そこには本当に感謝した


ただ恵里菜はそこでとどまらず、料理もさらに頑張ってくれていた
自分も取引先等で外食をするが、恵里菜の料理の腕はそれと遜色ないレベルにまで達していた


さらに恵里菜は自分の身体を気遣い、素材までこだわったオーガニックを使い、ジャンクフードは一切禁止にして、素材までこだわった料理を作ってくれるようになった


もちろん、恵里菜の気持ちは伝わってきていたし、嬉しい部分もあった
ただ正直言うと、そこまでしてくれなくてもいい
と、思う気持ちもあった


普段、外食も多くなりがちな自分にとって、家での料理は何というか、心休まる家庭料理を食べたいと思う時もあったし、たまにはジャンクフードを食べたいと思う時もあったからだ


けど、恵里菜の自分に対する気持ちや気遣いは充分伝わってきていたので、そこは自分が我慢すればいいと思った



ただ、少しどうかな?
と、思い始めたのが『連絡約束』だ


きっかけは、その日たまたま部長に捕まり、帰りが遅くなってしまった事が原因だった


帰宅して恵里菜に事情を話すと、その時は信じてくれたみたいだが、恵里菜の中では不信に思ってる気持ちもあったらしく、その翌日に


『ねえ、亮廣。これからは遅くなる時や、誰かに合う時は、お互いちゃんと誰にどこで会うかを連絡するようにしよう』


と、提案されたのだ

不審に思われて悲しい気持ちもあったし、誰かと会う度にいちいち連絡を入れるのは手間だと思ったが、恵里菜の気持ちがそれで救われるなら頑張ってみようと思い、自分はそれに賛同した



それからもちろん、連絡は必ず入れていたのだが、ある日会社帰りにたまたま以前の会社の上司と部下と出会い、そのまま飲みに行く事になってしまった


連絡をしなきゃと思ったが、昔の会社の上司の手前、スマホもなかなかいじれずそのまま飲みに突入し、気付けばだいぶ遅くなってしまっていた


解散後、自分は慌てて恵里菜に連絡を入れて帰宅した


ビックリしたのは帰宅した時だ


もう寝ているだろうと思って、そっと家に入ると、なんとまだ恵里菜は起きていて、自分を待っていたのだ
そして、帰宅後すぐに亮廣の元にかけより


『お帰り!だいぶ遅かったから心配したわよ』


と、言うやいなや自分のジャケットを持ちながらチェックをしていた


恵里菜はさりげなくやったつもりだろうが、自分には分かっていた
そして自分に


『連絡出来ないぐらい急だったなんて、大変だったね。誰と飲んでたの?』


と、尋いてきたので、ありのままを答えると恵里菜は


『そうなんだ。でも、それなら一瞬ラインくれたらよかったのに。ちなみに、その元会社の人達は男の人?』


と、尋いてきた
自分はやましい事は何もしてないのに疑われた事への悲しみから怒りがこみあげてきたので


『なんで?男だけど』

と、答えると、恵里菜は何かを察知したのか


『だったらいいんだけどさ』


と、自分に告げ、そのまま終わるかと思いきや、今度は


『私の事好き?』と、唐突に尋いてきたので、自分は戸惑い


『なんで急に?』と、半分笑いながら答えたが、恵里菜が
『好きってちゃんと言ってほしい』


と、言ってきたので、ちょっと照れくささはあったが
『ああ。好きだよ』と、答えた


けど、そう答えたものの、恵里菜は自分を信じてくれていないのかと思うと、その分、気持ちが冷めてしまっている事も事実だった




ただ、そこからも同棲は続けていったが、決定的だったのは恵里菜に取引先との飲み会の予定を伝えた時だった


この前の事もあったし、分かる事は先に伝えておこうと思ったのだ

なので恵里菜に
『今週の木曜日は、取引先と飲んでくるから』と、話すと、なんと恵里菜は


『それって、全員男の人?』と尋いてきた


さすがにこの質問には面食らったが、ありのままに
『女性もいるよ。取引先だし』と、答えた


すると恵里菜は
『ふーん。綺麗な人なの?』と、言ってきたので、さすがにカチンときて


『いや、普通だし、それに取引先の人だから特に気にしないけど、なんで?』


と、答えた。すると恵里菜は
『何か、そういう場にいる人って、綺麗なイメージあるから』


と、濁してきたが、それ以上は突っ込んでこなかった


ヤキモチと言えばそれまでかもしれないが、こう度々疑われていたのでは仕事にならないし、何より悲しかった


そして、今回だけでなく、その後も何度かこういう事が続いたため、自分はもう恵里菜とは一緒にいれないと思ってしまったのだ


恋人であれば、ある意味まだ大丈夫だったかもしれない


ただ、自分の事をここまで信じてくれない女と、この先ずっと一緒にいれるとは思わなかったのだ